サテンドール井上社長の遺した言葉
六本木の老舗ジャズクラブ「サテンドール」のオーナー、
井上修一社長が8月13日急逝しました。享年70歳。
43年の経営、昨年末に立ち退きがあり、今年3月に新店舗でオープンしたばかりでした。
全く、心の整理もつかぬまま8月19日お店でお別れ会でした。
この日は、本当に多くの方がお越しになりました。
寺井尚子さんが早い時間にお越しになりました。
サックスの堤智恵子さんのアメージンググレース、多くの方の涙を誘う、それはそれは入魂の1曲でした。本当に素晴らしい演奏をこのような形で聴くとは、、、
本当に多くの方の弔問でした。
ここに書き切れないことをお許し下さい。
夜に入り、マリーンさんが来ました。
マリーンさんは本当に社長と長いお付き合いで、その話をされました。
メジャーデビュー前からお世話になっていたこと。最近のこと。などなど。
そして曲を披露、「Left Alone」、素晴らしい歌でした。
アンコールとなり、「Route 66」になって残って頂いたシンガーに回していき、最後またマリーンさんに締めて頂きました。
圧巻でした。あ、これがマリーンさんなのね、って分かりました。
そんな時も、店長は本当に私に気遣ってくださる方で、「品田、いけ!」と背中を推してくれます。私は、スタッフで入ると本当に大変で(笑)、歌う気力と体力が残っていなくて、頑なまでに拒否してしまうのですが、、、
それでも、諦めず店長が背中を推してくれること、本当に本当に、いつも感謝しています。
スタッフで入っても、シンガーとしての部分を理解して下さる、そんな優しい気持ちにもシンガーとして応えたいと、強く思っています。
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私は、この43年のうち、ほんのわずかな時間しかご一緒出来ませんでした。
昨年出演し始めたばかり、新店舗になった時に、お店の手伝いがあれば、とスタッフで入ることもあり、ミュージシャンとして、スタッフとしての立ち居地で関わらせて頂きました。
そういう意味では、私の中でどちらに振り子を振れば良いのか?と悩むことも多く、それを知ってか知らずか??(笑)
一番の驚きは、スタッフで入ってみて、100名キャパって半端なく大変だってこと。(笑)そんなお店を経営していたんだな、、、と亡くなって、重く感じてきました。
スタッフで入ると、ミュージシャンとしての会話が減ってしまい、多くを話す機会が少なかったと少し後悔がありますが、ミュージシャンは多くの方に聴いて頂いてナンボ?の世界で、『どう集客していくか?』という話になりました。
社長は、前から考えていてそれをコラムで書こうと思っていると言って、自分の思いと出演者のシンガーのノウハウをコラムに書いています。最後に残してくれました。
自分の思いの原稿を見せてもらったときに「社長、これは私はすでにやっています。私も昨日、今日のシンガーではありません。色んなことをしました。書かれていることはとっくにやってることなんです。何がいいのか?何が必要なのか?ここまで来たら、もう分からないんです。」と言ったことがあります。
そして、社長が私に言ったのは、私は3人ボーカルのライブで出演してますので、ここからステップアップとして、この100人キャパのリーダーライブをやること。
『このまま、今のまま同じようにやっていても仕方ない。上を目指しなさい。』
私にそう言ってくださったのは春でした。
まだ、リーダーをやる「勇気」なのか「決断」なのか「準備」なのか、、、私には分からなかった。でも、音楽的な部分では、以前のような「引きの気持ち」はなかった。
むしろ、私のやりたいコンセプトは社長の意にそぐわないだろうな?と思ったりした。(笑)
そして何より課題として思っていたのは、集客、ファン作り。その部分で「何か?」が必要なんだ、、、と言われてからのこの数ヶ月、ずっと考えているんです。自問自答の自答に至っておりません。至っていたら、とっくにいろんなことやってるって。
私には、社長にもっとがぶり寄る時間も体力も残されていなかったのだ、、、
という無念な思いでいっぱいです。
泣けてきた。。。皆の前では涙は堪えていたんだけど、、、
気持ちの整理をすると、、、ダメですね。
私が社長に出来ることは、実行すること。
私が自ら体現していくこと。
『上を目指しなさい』
肝に銘じて。 合掌
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