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【TV】スーパーオペラレッスン(9)

3/4(金)スーパーオペラレッスン(9)
★歌劇「セビリアの理髪師」(ロッシーニ)
第一幕「わたしは町のなんでも屋」
★歌劇「フィガロの結婚」(モーツァルト)
第三幕「もうあんたの勝ちだと言ったな」

★歌劇「セビリアの理髪師」(ロッシーニ)
第一幕「わたしは町のなんでも屋」(バリトン歌手1)

(受講生の歌を聴いて)
-頭を前に倒していたのが、問題ですね。
 口から出た直後の声を聴かないこと。
(手を前に出して)その上にオレンジを乗せたつもりで響かせる。

-声も首も詰まらない練習をしましょう。
(床に寝かせる)
仰向けになり、体の力を抜いて首と頭の上で歌うつもりで。
天井からのどへまっすぐ降りてきた声が床に突き抜けて行く感じ。
首の力を抜き、胸を押し上げるる力も緩めます。
バリトンの声が男らしく響きます。
-胸を押し上げて、喉頭を下げると?
(胸の真ん中指して)真ん中で声が詰まります。
もっと横隔膜を使うよう意識をしましょう。
大きく息を吸って、(横隔膜の上に手を乗せる)私の手を持ち上げます。
自然と体が開き、腹壁の支えを、呼吸を調整したくなります。

(とてもfastで細かいメロディーライン:途中、声が裏返る)
-声を後頭部から出さず、前にひきつけるから詰まります。

-緩めるのに、慣れていないので難しいでしょうが、大声を出したり、
 高音にぶつけたりしない。ほっそりと長く解き放って下さい。
-寝ると支えが外れ、不安や違和感を覚えますが、明るく甘い声の方がいいです。
 自然に解き放って下さい。つぶれた声はダメです。
 パルランド(parlando:話すようにの意)は、ピアノを弾く感じで、上下せず水平を保って。

「下で支えたつもりですが、良くなっていますか?」と受講生。
-男性と女性では差があります。あらゆる点で違います。

-男性は、上体に力があるため、女性より低い位置で支えます。
 女性は、それより高い位置、横隔膜で支えます。
 もっと下という教師もいるけれど、女性には低すぎると思います。
 吸った息をここに(横隔膜を指し)意識すれば、うまくつながります。

 男性は、女性と筋力が異なるため、ここ(横隔膜)を固めてはいけません。
 (腰の周りを指して)ここを引き下げる感じにすれば、持ち上がります。

(ここで、音階の練習 エ・アの2音階の発声練習)

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★歌劇「フィガロの結婚」(モーツァルト)
第三幕「もうあんたの勝ちだと言ったな」(バリトン歌手2)

(歌い終わり、褒める。あなたには簡単な曲かしら?、と)
-どうすれば、難曲を楽に歌えるでしょう?
「派手に動く?」と受講生。

-いいえ、オーディションでも派手に動きますか?
 singing!歌って下さい。ただ歌うよう心がけましょう。
 滑稽な身振りを付けすぎないことです。

「最初のテンションを、最後まで保つのは難しいですね」と受講生。
-では、この役柄、伯爵はどんな人物?
「funny one、おかしな人柄。」
-stupid one、間抜けな人柄よね。
「この曲で感情を表します」と受講生。
-そうです、最後は感情的になるもの。
 最初は状況を理解出来てません。頭の回転が鈍い。
 「訴訟に勝った? 誰が? 何だって?」と最初からいきり立ってないのです。

-これは、バス歌手の皆さん全員にも当てはまることです。
 余り口を開かず、水平方向に歌ってください。
 無理に前へ出すと、胸や口内で共鳴できません。
 音を出すための余地が、失われてしまうのです。
 ソプラノと違い、通りが悪いと共鳴出来ません。
 だから、まっすぐ立ち、頭を後ろへ引いておきましょう。
 (口が縦に広がり、あごを引くとこもった声、喉が詰まると解説)
 
(少し歌い始めたところで)
-レチタィーヴォ(revitativo:叙唱の意)にしては、
 今の歌い方では強烈すぎます。
 (意図を加味して)終盤に向けて、徐々に怒りを募らせること。
 大らかで悠長な貴族だから、怒るにも時間を要します。
 だから、怒ってはいても、まだ考えている途中なのです。

(ピアノに弾いてもらう)
それに添いながら、表情で説明をしていく。
そうすると、メロディーの展開が感情の変化とマッチして見えた。
-全ての思考のプロセスであり、モーツァルトの意図した展開です。
-つぶやくような歌い方です。

-曲を研究し、歌詞を覚えたら、頭のスイッチを切って、声に任せます。
 
歌手は、音楽に仕える者です。
歌手は、音楽を学び、歌い、音楽の後ろに控えているのです。
作曲されたとおり歌うだけで、音楽を支配しません。

音楽に忠実に、誠実に歌いましょう。
そうすれば、音楽と情緒と人間性が行き続けます。もっと楽しくなります。

(歌い終えて・・・)
-最初と違いますね?なんで良かったのでしょう?

 わざとらしく表面的な歌ではなかった。
 本物の人間が感情と言葉を歌ったから。

 音が凝縮しており、母音も正確に出ていました。
 イタリア語の歌詞も急に聞き取りやすくなった。
 表面的な身振りでなく、目で感情を表したから。
 言葉を正しく、語りかけたから。
 声も大きくなり、濃厚で明るい声になりました。

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最後の、なんで良かったのか?と聴衆へ語り、問いかけます。
しかし、その答えは、呼吸が出来たから、とか、ピッチが、とかでなく、
曲の意図する事を理解し、表現をした、という事で、
それが、自ずと発声や声量や表情、感情、音の色合いさえも
変えさせていくのだ、という事を言ってる気がします。

歌の先生と言われる方が、往々にしてテクニックで教えてしますから、
その肝心な感情はそこで出るべき表現が欠落してします。
そこはピアノです、と言って声を小さくすれば、いいのではないのです。
なぜそこがその歌詞がピアノなのか。
とれに伴う表現を引き出すこと、それに必要な歌唱を指導する事が
本来の先生の仕事かと、、、ちょっと感じますね。(笑)

だから、色んな基礎的、発声法や、呼吸法、音階練習は必要です。
その上に、その曲で必要とされる、歌唱を習得する必要があると思います。

私が、音楽を志す気持ちにさせてくれたO氏が、、
出会った10年以上前に、既に「音楽を支配しようとしてはいけない」
と、私に言ってくれていました。
どんなに百戦錬磨なO氏でも、音楽に謙虚に、と言ってらっしゃったのを
今でも肝に銘じています。

ま、私はまだまだ振り回されますけどね、、、(笑)
バーバラ氏の上記の言葉は、本来歌手として在るべき姿を代弁してると思います。
歌ってるつもり、やっちゃってるつもり、はいけませんね。
おごるべからず。

はぁぁぁぁ、週一でも怒涛の量で、、、吸収が追いつきません。
頑張りま~~~す。
そろそろ、今月の告知もせにゃ。

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